お知らせ

3月1日卒業式での学校長式辞

22.03.01

大阪成蹊女子高等学校 第74回卒業証書授与式式辞


依然として、コロナ禍であることを意識する日々が続いておりますが、弥生3月、春の訪れが感じられ、心が和みます。
この佳き日に、大阪成蹊女子高等学校第74回卒業証書授与式を挙行できますことは、教職員一同、この上ない喜びであります。

公私ご多用中にも関わらず、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様には心よりお礼申し上げます。
また、保護者の皆様におかれましては、この間、時にご苦労もおありになったことと思います。
そうしたご苦労が実り、皆様の深い愛情に包まれ、お子様は心身ともに大きく成長されました。
今日の日を迎えられましたことに対し、心からの敬意とお祝いを申し上げるとともに、コロナ禍において変更を余儀なくされたことも多かった本校の教育活動にご理解、ご協力そして、ご支援いただきましたことに心より感謝申し上げます。

さて、ただ今、卒業証書を授与しました74期生、424名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
今、卒業証書を手にして、一人ひとりが高校生活を振り返っていることと思います。
コロナ禍で一変した日常、できなかった学校行事やクラブ活動など、思い出すと悲しさやくやしさが一緒にやってきてしまうことでしょう。

しかし、皆さんは、このような状況でも日々懸命に取り組み、希望を持ち、前を向き、周りを気遣いながら力を合わせ、ゴールに向かって進んでくれました。
皆さんにとって、このことは大切で自慢できる思い出であると同時に、先生たちにとっても誇りです。
皆さんに感謝をします。ありがとう。

これまでにはなかった学校生活を経験し、大阪成蹊女子高等学校から巣立ち、次のステージに向かう皆さんに大きな期待をしながら、餞の言葉を贈ります。

皆さんが高校3年生として過ごした令和3年度には、2つのオリンピック・パラリンピックが開催されました。
皆さんとほぼ同世代の選手が、東京と北京で躍動していることにも感動しました。
今、一番記憶に残っているのは、北京オリンピックでのカーリング女子チームの戦う姿ではないでしょうか。
日本代表という大きなプレッシャーを背負いながら、決して笑顔を絶やさない前向きな姿勢を貫いていました。
また、励ましの言葉や表情を絶やさないのと同じように、「ありがとう」という感謝の言葉が幾度となく飛び交っているのを聞きました。

Stay Positive. Support each other. 前向きに考えよう。互いに助け合おう。
これはカーリング女子チームのテーマと言われています。

メンバーの1人が取材で語っていたことを記事で読みました。
「苦しい舞台や大変な舞台で苦しそうな顔、辛そうな顔をするのは、誰にでもできると思うが、苦しい中で楽しむには、たぶん覚悟がいる。」
そして「氷の上で不安に思ったら口に出して言ってみる。1人で抱え込まず、落ち込まず、というのがチームで大事なことだとこの4年間で思った」という内容でした。

その記事は、ポジティブなスタイルは意識して編み出したものであり、そのことが何を生み出したかを伝えていました。
ポジティブ(前向き)というのは、弱音を吐かず、いつも元気に明るく!と思っている人が多くいるかもしれませんが、ポジティブとは、自分の周りにいる人を認め、お互いを肯定する気持ちがあり、信頼し、不安や悩みを共有していくことに積極的になることだ、とこの記事を読んで私は思いました。

ポジティブだと思う人が弱気な発言をすると、「らしくないなぁ」という言葉を使うこともあります。
しかし、それこそ Stay Positive. 周りを信頼して、不安や悩みを共有しようとしていることと言えます。
時に人との関わりは難しいと感じることがあります。
これからは Stay Positive.の考え方で、人との関わりを信じ、人との関わりを頼り、人との関わりに支えられていく日々を過ごしてほしいと願います。

大阪成蹊女子高等学校の3年間で「忠恕」を学び、「忠恕」を実践することを心がけてきた皆さんにならできると思います。
結びに、これからも健康に気をつけ、それぞれが夢中になれることを見つけ「一歩前へ」と挑戦し続けることを願います。

「失敗すればがっかりするけれど試さなければ運に見放される。」
皆さんの前途に幸多かれと祈念して、私の式辞といたします。

令和4年3月1日

大阪成蹊女子高等学校長 若林 智子

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