4月9日始業式での学校長式辞
18.04.09
平成30年度 大阪成蹊女子高等学校 第1学期始業式式辞
全校生徒のみなさん、おはようございます。
今日は1学期の始業式です。学校における1学期の始業式は1年の始まりにあたります。
この始まりに当たって、今日はみなさんに、1年半前に世界的に人気のあった日本のアニメ映画「君の名は」について話をしたいと思います。
そしてそれに重ねて私からみなさんへの1年初めのメッセージを伝えたいと思います。
多くの人がこの映画を観たと思いますが、見ていない人も問題ないので聞いてください。
この「君の名は」が世界的に人気のあった理由は、そのストーリーの中に、人を引き付ける極めて重要なメッセージがいくつかあったからだと思います。
私は4つのメッセージがあったと思っています。
その1つ目は「時間」です。
人は今を生きているけれど、今は過去とつながっており、今は未来ともつながっている。このメッセージが映画の全編を通じて表現されていました。
2つ目は「場所」です。
人は生きている中で、特別な深いご縁を感じる場所を見つける。そしてその場所が忘れられなかったり、行ってみなくてはと思ったりする。映画の中ではその場所が岐阜であり東京であり、もしかすると宇宙空間も含まれるかもしれません。
3つ目は「出会い」です。
人生において運命的な出会いが必ずある。そして運命的必然的な再会も必ずある、ということが明確に表現されていました。
そして最後の4つ目は「使命」です。
ある意味これが一番重要かもしれません。人はそれぞれに、自分はこのことをやらなければならないという使命を感じるときがある。この映画では、主人公の二人の高校生が、一つの村を隕石の落下から守らなければならないと感じた時からクライマックスに向かいます。
さてこんな風にアニメ映画「君の名は」を解説していると、この映画の四つの要素がすべて、私が高校の先生として、高校生に伝えたいと思っていたことと重なることに気が付くのです。
私はこの映画を観る前からこんなことを思っていました。
まず「時間」です。
みなさん、みなさんは今を生きていますが、時に過去を振り返り、みなさんを愛してくれた人、みなさんを育んでくれた環境に感謝しなさい。そして未来に向かって成長していってください。ということです。
次に「場所」です。
みなさんは今、大阪市東淀川区のこの学校にいますが、やがてこの学校を巣立っていき、みなさんに縁のある場所で活躍していきます。それは日本中、世界中、どこかわかりません。みなさんの舞台は世界なのです。となります。
次は「出会い」です。
みなさんは人生の中できっと運命的な出会いをします。その時どんな困難な状況があってもそれを乗り越えて行ってください。となります。
そして最後に「使命」です。
大阪成蹊女子高生のみなさん、みなさんはやがて、私はこれをしなければならないと使命を感じることをみつけるでしょう。それはあなたにしかできないことです。それば天があなたを選んだのです。その時からあなたは力いっぱい使命を果たすために自分独自の人生を歩んでいくのです。
こんな風に、アニメ映画「君の名は」と、私が1年の初めにみなさんにお話したいと思う私の思いとが重なるのです。
最後に短くまとめて話を終わります。
「みなさんは今という青春時代をこの学校で過ごした後、やがて世界を舞台に、様々なよい出会いをして、自分の使命を果たすべく活躍してください」これが私の思いです。
以上で1学期始業式のお話を終わります。