お知らせ

4月7日入学式での学校長式辞

17.04.07

平成29年度 大阪成蹊女子高等学校 入学式式辞

 
桜花の季節、駅から学園正門に続く桜並木は今満開となり、今日の入学式を祝うごとく、見事に咲き誇っています。
この佳き日に、大阪成蹊女子高等学校の平成29年度入学式を挙行いたしましたところ、平素よりご支援を賜ります本校PTA、学園後援会、蹊友会のご代表、更には大阪成蹊大学、びわこ成蹊スポーツ大学、大阪成蹊短期大学の各学長の先生方、並びに学園関係者の多数のご臨席を賜り、高い所からではありますが、厚くお礼申し上げます。
 
ただ今、普通科 451名、美術科 98名、計549名の入学を許可いたしました。
生徒の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。心から、お祝いを申し上げます。
皆さんに選んでいただいた本校は、府内の女子高校としては極めて高い人気を誇っており、ここ数年の受験者数と入学者数は、連続して府内第一位となり、全国有数の規模を誇っています。
本校の魅力の一つとして、大規模校で在りながら、一人ひとりを大切にする教育を進めており、大規模校としては他に見られない、クラスあたりの生徒数は一部のコースを除いて35人の学級編成としています。
それは、詰め込みの環境ではなく、人と人との豊かな関係性を学ぶための余裕でもあり、本校の教育理念を実践するための「ゆとり」なのです。
本校の建学の精神については、後ほど石井理事長からご紹介があります。
この建学の精神と併せて、それを実践する「忠恕」の心が本校の重要な行動指針であり、この言葉を紹介します。
この「忠恕」とは、誠を尽くし、相手の立場になって考え行動することです。
この考えは他者を敬い、他者を理解することの大切さを示しており、併せて自己肯定するという、人間として最も基本的な資質です。
「人間」という漢字は、人の間と書きます。これは、人は人の間で生きるもの、人は人の間でしか生きられないということを示唆したもので、他者との関係を高めることができる人が、本当の人間なのです。
他者と豊かな関係性を育むことは、たやすいことではないかもしれません。
しかし、それは、ある意味で学力以上に人として大切な資質です。本学園では、人との関係を豊かにする力と、将来を切り拓く力を「人間力」と呼び、この力の育成は、本学園全体の共通の目標となっています。
本校で学ぶ3年間、皆さんは体育祭・文化祭などの学校行事、特色ある各コースの行事、活発な部活動を通じて、たくさんの経験と学びを積むとともに、クラスや部活の仲間たちとの良好な関係を築く努力をしてください。
皆さん方全員が、本校の学びの中で、大いに人間力を育み、心豊かな人に成長されることを期待しています。
 
保護者の皆様、あらためまして、お子様のご入学誠におめでとうございます。
本校は84年の伝統ある女子校でありながら、常に進取の精神に富み、社会のニーズや生徒の多様なニーズに応えるため、日々教育内容の充実に努めているところです。
本校は、普通科と美術科合わせて5つのコースを有しており、それぞれに特色あるカリキュラムを実施し、コースに学ぶ生徒たちの夢と希望の実現をめざしています。
各コースには、生徒たちの学びたい、また学ばなければならないと思う本校独自の科目「キャリアデザイン」や「グローバルスタディ」「ホスピタリテイ」など、コースの特色に応じた科目を多数配置しています。
加えて、社会で必要とされる学力である一般科目も重視しており、本年度の入学生の皆さんから、新たな学習メニューを増やしています。
この春休み、入学前学習として実施している自宅でのICTを活用したLINESドリルでの学習や、放課後、自分の学力を更に伸ばしたいと希望する生徒を対象に「成蹊ゼミ」と呼ぶ国語・数学・英語の特別講習を1年生で実施します。
本校の教育は、とどまることなく、常に生徒のため発展しつつげています。
 
これらの学習内容の充実に加えて、本校の全コースで取り組む教育方針も進化しています。
これまで、女性として社会で自立し、自分の生き方を主体的に選べる生徒の育成を目標に「女子に特化したキャリア教育」を進めてまいりました。
その成果として、過去、文部科学省や大阪府教育委員会からキャリア教育での研究指定や実践モデル校として指定を受けてきました。
本年も、キャリア教育実践では、全国表彰を受けています。
このキャリア教育に、英語教育とグローバル教育の強化を方針に加え、本校の「女子に特化したキャリア教育」は「グローバルなキャリア教育」に、今発展しています。
日々の英語授業の改善のほか、放課後の英会話教室、TOEICの希望講習、スコア型英語検定であるGTECの全員受検など、全コースで「使える英語力」の向上に努めています。
また、この「使える英語」を実践するため、全生徒が参加する修学旅行はすべて海外で実施しており、希望者対象のニューヨーク海外キャリア研修、オーストラリア語学研修、台湾国際交流研修など3事業も実施しています。
とりわけ、グローバル教育を推進する本学園並びに理事長先生の方針から、これら3つの研修の全参加者には学園から奨学金が支給され、生徒が参加しやすい環境が整っています。
その結果、昨年度、海外修学旅行を含むと、在籍生徒1631名のうち、約550名の生徒たちが海外に出ました。
今年については、在籍生徒数の半分に相当する約800名の生徒たちが海外研修を行う予定です。
全国には200校余りの女子校がありますが、おそらく、この規模のグローバル化を進めている女子校は、本校だけてあると自負しています。
本校を卒業した生徒の半数以上が進学している大阪成蹊大学・びわこ成蹊スポーツ大学・大阪成蹊短期大学においても全世界型の海外研修を多数実施しており、本校での3年間を含む5カ年、あるいは7カ年の一貫教育の中で、皆さんの夢を実現する力を育むとともに、時代の要請に応えた世界に活躍できる人材育成に努めています。
 
冒頭申し上げた、人との豊かな関係性を築く人間力と、社会に求められる学力と、時代の要請であるグローバルな力、この3つの力の育成が本校の基本的な教育方針です。
保護者の皆様には、本校の教育方針にご理解とご支援を賜り、3年間の学びで生徒たちが自立し、立派に成長する姿をご覧いただけるよう、教職員一同、全力を挙げて取り組む所存でございます。
 
入学生の皆さん、入学された皆さんが、今日の日を忘れずに、大阪成蹊女子高等学校で、有意義な高校生活を送り、本校で大きく成長することを願ってやみません。
 
世界のトップレベルで活躍するサッカー選手の言葉を最後に紹介します。
「努力したことで、得られるものは本当にたくさんある。
他人から見れば、気がつかないような小さなことであっても、『良くやった』と自分をほめることが成長につながる。」
 
皆さんのたゆまぬ努力を期待し、入学式の式辞といたします。
 
平成29年4月7日
大阪成蹊女子高等学校長 紺野 昇
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