お知らせ

8月25日始業式での学校長式辞

15.08.25

平成27年度 大阪成蹊女子高等学校 2学期始業式式辞

 
今年の夏は、たいへん暑い夏でした。今日から2学期が始まります。
今日、こうして生徒の皆さんの元気な顔を見ることができて、私はたいへんうれしく思います。
先週、寝屋川の中学生に悲惨な事件が起こりました。亡くなられた生徒のご冥福を、皆さんと共に祈りたいと思います。
今年の夏休みは校舎の耐震工事のため、多くのクラブ部活動や、文化祭の準備、その他の活動でも、たいへん不便なことだったと思います。この夏の突貫工事で、教室によっては校舎外枠には補強の四角の型枠がはめられたり、廊下側の窓ガラスが補強壁になるなど、大きく変わった教室もあります。これは、耐震のための構造計算により、補強部分が決められたもので、特定の教室を指定して工事が行われたわけではありません。皆さんの理解を求めます。また、工事が終わった後、次に校舎の外壁の全面塗装を行います。そのため、校舎外側に足場が組まれ、シートに覆われる時期も来ますが、12月には新しく塗装されて、きれいな校舎に生まれ変わります。しばらく、不便をかけますが、皆さん方の協力を求めたいと思います。
 
さて、練習場所がない中、今年の夏も、部活動やその他の活動で、成蹊の生徒は活躍してくれました。吹奏楽部のコンクールでの金賞をはじめとして、ギターマンドリン部、軽音楽部がすばらしい成績をあげてくれました。また、運動部の皆さんもたいへん暑い中、一生懸命に練習した成果を十分に発揮してくれています。水泳部のインターハイ出場、学外クラブのバトンの生徒は世界大会で優秀な成績を上げてくれました。とりわけ、美術の私学展では、大阪の全私立高校から1000点以上の作品が出展される中、3年生の竹林さんが第一位の大阪府知事賞をとり、24名の生徒が優秀賞や奨励賞を獲得し、2年連続の学校団体優秀賞を受賞できました。天王寺の美術館で行われた展覧会に行ってきましたが、成蹊生の美術作品は他校より一つ上のランクにあることがよくわかりました。そして、嬉しいことにボランティアの受付に成蹊の制服を着た生徒がいて、きちんと受付の役割を果たしてくれていたことも、たいへん嬉しく感じました。先日の学校説明会でも、ボランティアのたくさんの生徒は頑張ってくれました。
次年度から美術・イラスト・アニメーションコースが、専門学科の美術科へと発展するのにふさわしい成果を上げてくれました。
 
そして、この2学期、更に皆さんが活躍する機会があります。まず、文化祭です。現在も企画委員・生徒会役員の皆さんが一生懸命に準備にあたってくれています。2年生には高校生活で最も楽しい行事の一つ、修学旅行が待っています。そのほか、コース毎のいろいろな行事もあるでしょう。一方、3年生は卒業後の進路に向けて学力を高め、これまで培ってきた力を受験などで発揮する大切な時期になります。
2学期は、皆さん方が主役になって、様々な場面で頑張り、クラスや部活の友達と一緒に活動する機会がたくさんあります。一緒に取り組む仲間と円滑に活動するためには、友達との間のコミュニケーションが大切です。そのとき、配慮したいのが、相手への言葉づかいです。
脳科学の研究によれば、ことば使いが人間の意識、私たちの心・気持ちと密接に関係していることは間違いないようです。ことばの力を「言霊(ことだま)」と言いますね。言葉には、魂・心が込められているということです。言葉は、外見や表情・態度とあいまって、その人の思いや考え、その人そのものを相手に正直に伝えます。人を傷つけるような強いことばを使えば、相手はその人を、その程度の人間と受け取め、同じかそれ以上の強さのことばが返ってきます。これを「売り言葉に買い言葉」と言います。争いごとの始まりですね。
 逆に相手に優しい言葉と態度は、褒め言葉と言われ、コミュニケーションにふさわしいものですが、気持ちが入っていない表面的な優しい言葉は、お弁チャラと言われてしまいます。英語では、いい意味でのお世辞をcomplimentと言います。よくない意味でのお世辞はflatteryと呼んで区別します。私たちの目標である、他者への思いを大切にする「忠恕の精神」を持ち、このような言語文化を十分理解して、丁寧な言葉、心のこもった言葉を大切にしてください。
一方、ネット上での言葉の使い方は、とりわけ危険な部分を含んでいます。相手の表情が見えない文字だけの言葉では、その人の気持ちを正確に伝えるのは難しいものです。本校では、不適切なSNSへの書き込みを禁止しているのは、そのようなことがあり、他者とのトラブルが絶えないからです。賢明なみなさんは、ネット上に不適切な言葉を書くようなことはないと信じています。
この2学期、皆さん方が文化祭をはじめとして、いろんな場面で活躍することを願っています。そのためには、他者への言葉づかいに十分気を配ってもらいたいと思います。すべての生徒が、気持ちの良い学校生活、楽しい高校生活、様々な行事を通して充実した生活を送ってくれることを大いに期待して、2学期始業式の話とします。
 
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