台風の影響もあって、今年の夏はたいへん雨が多い年になりました。
季節はいよいよ夏へと移り変わり、今日は1学期の終業式を迎えました。
さて、皆さんにとって、この1学期はどうだったでしょうか。4月に入学した1年生の皆さんにとっては、とても速い4か月間だったのではないでしょうか。私は、この間、多くの場面でがんばっている生徒の皆さんを見ることができました。
昨日成績会議がありましたが勉強で頑張った人、そしてクラブ活動で頑張った人、今年も水泳部の生徒はインターハイ出場を決めてくれました。また、学外クラブでは世界大会に出場し、団体で優勝も決めてくれました。
体育祭などで、生徒会活動や学校行事で頑張った人もいます。
たくさんの生徒の皆さんが、いろいろな場面で自分の力を発揮してくれたと感じています。たいへん嬉しく思います。
6月末に、中学生とその保護者を対象とする学校説明会、オープンスクールを開催しましたが、その時もボランティアの生徒がたいへん頑張ってくれました。今日はそのお話をします。
今年のオープンスクールは、昨年の550人を大きく上回る、過去最高の1700人以上の参加者数でした。予想を越える人で大混雑、たいへんな状況のオープンスクールになりましたが、その様な中でも、お手伝いをしてくれたボランティアの生徒たちが、大変すばらしかったのです。
当日の説明会は1時半開始でしたが、20分前には予定していた5階のプラムホールがすぐに満杯になり、多くの参加者が順番待ちで図書館や、4階、3階の各教室に待機してもらうことになりました。担当者も昨年の3倍以上の来客があるとは予想もしていない状況で、4階、3階の教室も待機する人ですぐに溢れました。プラムホールでは30分の説明を4回行ったのですが、説明会までの待ち時間は最長で2時間にも及びました。当然、イラついてくる参加者も少なくありません。
そんな状況では、担当の先生も、ボランティアの生徒の皆さんも、待っている方にはお詫びしかありません。何度も、何度も、生徒も先生も「すいません。もうしばらくお待ちください」を繰り返しました。しかし、待っている人は、どれくらい待つのかもわからず、イライラが増してきます。中には、文句を言う人、待ちきれずに帰る人、先生はともかく、ボランティアとして学校にお手伝いをしようと集まってくれた生徒たちは、ほんとうに身も心も相当疲れたことでしょう。しかし、生徒たちは最後まで笑顔を忘れることなく、お詫びを繰り返しながら、おもてなしの精神で参加者を笑顔で向かえ続けてくれたのです。本当に、うれしく思いました。
その中で参加者の誘導の順番を誤った生徒がいました。参加した大人から嫌なことを言われ、その生徒は傷つきました。私にその事を話してくれたのです。悪いのは、生徒ではありません。予想を越えるという事態であり、誰も悪くはないのです。悪いとすれば、たくさんの人が来ることを予想しなかった学校、その責任者の私なのです。お手伝いの生徒は、何も悪くありません。大変な状況の中で、成蹊生として、ほんとうに緊急な状況で頑張ってくれたと思っています。傷ついた生徒さんには、たいへん申し訳ないと思っています。
そして説明会終了後、参加者アンケートでは、迎えてくれた本校の生徒たちのすばらしさを称えるコメントで溢れました。待ち時間が長いというお叱りのコメントはほんのわずかで、本校生が明るく迎え、きちんと笑顔で挨拶ができるというコメントが圧倒的に多かったのです。
私たちの学校は、82年の伝統があります。その伝統を支えているのは、皆さん方の明るさであり、元気さです。本校の建学の精神である「忠恕の精神」とは、まさに相手に対する思いやりであり、相手の心を和やかにする皆さん方の笑顔と明るさではないでしょうか。そのおかげて、4年連続女子校の入学者数ナンバーワンとなっています。本校にたくさんの生徒が集まるのは、皆さん方の笑顔であり、おもてなしの精神、ホスピタリティだと思ってます。たいへんうれしいことです。
明日からの夏休み、忠恕の精神を忘れず、学習や部活動などで自分を高めるため、大いなる努力を期待しています。
3年生の皆さん、卒業後に大学や短大への進学をめざす人は、この夏休みは学力を伸ばすラストチャンスです。ひたむきな努力で、自分の弱点を克服し、有意義な夏休みとしてください。
2学期の始業式では、全学年の生徒の皆さんが、元気で、明るい皆さん方の笑顔が見られることを期待して、1学期の終業式の式辞とします。