お知らせ

5月1日全校朝礼での学校長講話

15.05.01

平成27年度 大阪成蹊女子高等学校 5月全校朝礼講話

 
 1学期も、早や1月が経過しました。1年生の皆さんは、不安と期待を胸に秘めて高校生活をスタートさせたことと思います。この一か月間、コースの宿泊研修などもあり、仲間づくり、クラスづくりも少しずつ進んできたのではないでしょうか。上級生を含め、皆さんには、もっともっと多くの友を、将来にわたる親友を見つけて欲しいと思います。そのためには、自分から積極的に行動しましょう。いろんな場面で、できるだけ多くの仲間と一緒に行動すること、周りの仲間に自分から話しかけること、いろいろな機会に多くの人と接することが大切です。
1年生の皆さんには、部活動に参加することも是非検討して下さい。本校には、運動部、文化部がたくさんあります。運動部では初心者でも歓迎してくれる部活がたくさんあります。また文化部でもたくさんの部員が参加しており、優秀な成績を上げています。部活動に参加することは、同じ学年の友達だけでなく、先輩とつながりができ、いろいろなことを教えてもらえるので、楽しく充実した高校生活が期待できます。部活で頑張った経験は、自主性を育むとともに、仲間と達成感を共有できるなど、自分を鍛え成長させるきっかけになるものです。皆さんの部活動への加入も大いに期待しています。
2年生、3年生の皆さんは、新しい生徒会の役員の皆さんも組織されましたし、まだまだ不安な1年生に先輩として温かくリードしてあげてください。上級生がお手本となって、楽しい高校生活を送ってください。30日後には体育祭があります。楽しい学校づくりを皆さんの手で作り上げることを期待しています。
 
さて、1枚の犬の写真を見てください。(スライド)
この犬の名前は「夢之丞(ゆめのすけ)」といいます。今、ネット上で広まっていますが、災害で活躍している救助犬の話をします。
皆さんは、街に捨てられた犬や猫がどうなるか知っていますね。保健所
が回収し、動物愛護センターに集められます。そこで、里親の人間に引き取られない動物はすべて処分されることになります。4年前の11月のある日、写真の犬は殺処分される日だったのですが、処分するガス室が捨て犬であふれ、この犬の処分が延期になったそうです。ガス室前のケージの中でふるえている生後3~4か月の子犬は、たまたま救助犬の候補を探しに訪れたNPOスタッフの目に留まったのです。
「紙一重の僥倖(ぎょうこう)」、僥倖とは思いがけない突然の幸運のことです。この僥倖で生き延びた犬を、訓練師は「夢のすけ」と名付けました。3年にわたるたいへん過酷な救助活動の訓練にも耐え、「ゆめのすけ」はセンターから候補犬として引き取られた4匹の中で、もっと優秀な災害救助犬になったのです。(スライド写真)
 昨年8月、広島での集中豪雨による大規模土砂災害があり74名の方が犠牲になりました。その現場に「ゆめのすけ」は初出動し、行方不明だった男性1名を発見する功績をあげました。泥だらけになっても、訓練通りの活動をりっぱにやりとげたのです。
(スライドの写真)
先週、ネパールで大規模な地震が発生し、ヒマラヤ登山の人も含めて5千人以上の人ががれきに埋もれ、亡くなったというニュースが飛び込んできました。1万人近い人が亡くなった可能性があるという話もあります。20年前の阪神淡路大震災で6400人もの人が地震で亡くなりましたが、その被害を大きく上回るというものです。
先日、「ゆめのすけ」は国境を越え、ネパールに到着したそうです。まさに今、災害救助活動を行っています。一度殺処分になりかけた犬が、今生きる希望をつなぐ人のため、泥だらけになりながら頑張っています。この話が、ネットを通じて世界中で取りあげられています。
 「ゆめのすけ」という名前は、一度処分されかけた犬が、人を助ける救助活動にあたっているという「夢」のような話であるだけではなく、どんな状況にあっても、「夢」を持ってほしい、「夢」をもつことの大切さを意味しています。私たちは、どんな状況にあっても、「夢」を持ち続けたい、そういうふうに思います。「ゆめのすけ」の活躍を、今後も祈りたいと思います。
 
 最後に、今、この時点でネパールの人々は困難な状況にあります。けっして豊かな国ではありませんが、4年前の東日本大震災では、震災直後に雪が舞う寒い中にある東北の人たちにネパール政府は5千枚の毛布を送ってくれました。
 「忠恕」の精神をもつ私たちは、寄付など支援する機会がありましたら、参加したいと思います。冒頭の話と同じです。すべてに積極的になってくれることを期待して、五月の全校朝礼の話を終わります。
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