お知らせ

4月8日入学式での学校長式辞

15.04.08

平成27年度 大阪成蹊女子高等学校 入学式式辞

 
命あるものすべてを眠りから覚めさせ、躍動の予感を感じる季節となりました。本日、ご多忙の中、ご来賓の方々並びに多くの保護者の皆様方に御列席を賜り、大阪成蹊女子高等学校の平成27年度入学式を挙行いたしますことは、私たちの大きな喜びであり、高い所からではありますが、ご列席の皆様方に厚くお礼申し上げます。
 
ただ今、キャリア進学コース199名、幼児教育コース124名、美術・イラスト・アニメーションコース63名、スポーツコース33名、キャリア特進コース26名、計445名の入学を許可いたしました。
生徒の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。心から、お祝いを申し上げます。
本校は、今年83年目を迎える伝統校であり、これまで培ってきた進取の気風に充ちた女子教育は、5つのコースに見られる教育内容の多様性と実践的なキャリア教育を柱として、現在、府内の最大の規模を誇る女子高校に発展しています。本校の特色である「女子に特化したキャリア教育」は、これからの社会で女性として自立し、希望と夢の実現を図るためキャリア選択できる人材へと導いてまいります。そこでは、本校の建学の精神、行動指針である「忠恕」の精神、他者を思いやり、誠を尽くして人の立場を考える精神を日々育み、実践する中で、学力として必要な知識や技術の習得に加えて、人と人との関係性に重点に置いた人間力の育成、更に女性に求められる豊かな感性と品格を育んでまいります。本年度より、これまでの充実した各コースの教育に加えて、グローバル時代の今、英語教育や国際教育の充実も学校全体、学園全体でめざしています。更に、来年度は美術・イラスト・アニメーションコースを専門学科へと昇格する予定で、本校は2学科5コースの総合的な学びを実践する女子校に拡大しています。また、本校は本学園に併設される大阪成蹊大学・びわこ成蹊スポーツ大学・大阪成蹊短大との連携も年々強化しており、大学・短大と接続した本校の学びは、生徒の知的好奇心と探究心を高めるなど、学園全体で学びの場として更なる発展を遂げています。本校の長年の女子教育は、まさに時代の変化に対応し、これからも社会から求められる教育内容の実践に向け邁進する所存でございます。保護者の皆様には、本校の教育方針にご理解とご支援を賜り、大阪成蹊女子高等学校での3年間の学びで、生徒たちが自立し、立派に成長する姿をご覧いただけるよう、教職員一同、全力を挙げて取り組むことをお約束申し上げます。
 
さて、新入生の皆さん、ご入学を心からお祝いいたします。入学にあたって皆さんに、2つのお願いをします。
1つ目は、前向きな姿勢と努力をしてもらいたいということです。
「15歳になると、人魚姫は、海から陸に浮かび上がることが許される。」
これは、有名なアンデルセン童話の話です。15歳になって、中学3年生から高校1年生になり、これまでの学びの場所を変え、本校に入学されました。物語の人魚姫と同じで、全く知らない外の世界に一歩踏み出したわけです。人魚姫は、知らない陸の世界で新たな出会いを求めたわけですが、同じく新入生の皆さんは高校での新しい生活で、多くの友を求め、真の友を得て、共に学び、共に成長してください。人間という文字は、人の間と書きます。私たちは、好むと好まざるに関わらず、人の間でしか生きることはできません。自分ひとりだけでは何もできません。本校でのあらゆる場面で、友と共に生き、学ぶということを、まず自覚してください。アンデルセンの童話では、人魚姫は自分の意志にもとづいて、自分の声を失う代償として、人魚の尾ひれを人間の足に変身します。あえて結果を恐れず、不可能なことに挑戦していきます。1つ目のお願いは、本校の多様な学校行事、コース行事、部活動に積極的に挑戦してもらいたいということです。本校は、文化祭や体育祭以外にも様々なコース行事を行っています。また、多くの部活動が活躍しており、全国大会に出場する運動部や、金賞を勝ち取る文化部がたくさんあります。何事にも積極的に参加し、一生懸命に取り組む姿勢を持ってください。男子のいない女子校では、女子である皆さんが主役です。皆さんの前向きな姿勢と努力は、きっと充実した高校生活に導いてくれることでしょう。
 
二つ目のお願いは、学ぶことにどん欲になって欲しいということです。人は、子どものとき、大人のとき、年を取った年配になっても、生涯学び続けなければなりません。何のために学ぶかという目的と、何を学ぶかという学びの内容の決定がたいへん重要ですが、その前に学びたいという意欲や意思が根底に必要なことは言うまでもありません。この意思決定や思考過程は、皆さんの脳の中で行われますが、人は自分の脳を生涯にわたって使用する量は、わずか3%であると言われています。97%は使用されないまま生涯を終わるというのです。なんと、もったいないことでしょう。先日、滋賀県の前知事で、現在、本学園のびわこ成蹊スポーツ大学の学長である嘉田先生とお話しする機会があって、脳の活用がもったいない状況であるお話を伺いました。
一般的な説ですが、男性は右脳が、女性は左脳が発達していると言われています。右脳は、図形や映像、空間認識、イメージの記憶、直感・ひらめき、全体的な情報処理などの領域を受け持つと言われ、左脳は、言語の認識と言語的推理、計算と数理的推理、論理的思考などを受け持っているとされています。簡単に言うと、右脳は生産など、ものづくりに機能を発揮し、左脳は学習など知的学習に機能を発揮するといわれています。しかし、右脳と左脳は個別に機能するわけではなく、バランスを取りながら機能しており、学習活動を通して鍛えることで、前頭葉など脳全体が相互の関連づけを図り、高い能力が発揮できるというのです。皆さんは、知的学習に機能する左脳を有していますが、そのほとんどを使っていないという、もったいないこと世界から脱却してもらいたいと思います。
本校の様々な教育活動の中で、どん欲に学び、脳をフルに活用してください。使わないで終える、もったいない脳の部位を活用しましょう。そのためには、学ぼうという意識を高め、学ぶ目的を常にもつことを実践してください。どん欲に学ぶこと、そのため1つ目に述べた積極的に参加、行動することと併せて実行してください。
最後に、皆さんは磨けば光る宝石です。本校で大きく成長し、皆さんが光り輝くことを願ってやみません。
今思っている期待と希望を忘れずに、大阪成蹊女子高等学校で、有意義な高校生活を送ることを心から期待して入学式の式辞といたします。
 
平成27年4月8日
大阪成蹊女子高等学校長 紺野 昇
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