大阪成蹊女子高等学校 令和7年度(第78回)卒業証書授与式式辞
ただいま卒業証書を授与しました454名の皆さん、卒業おめでとう。
寒くなったり暖かくなったりを繰り返しながらも確実に季節は進み、今日という日を迎えました。
今朝、登校すると、校長室で育てていた胡蝶蘭が一輪、花を咲かせていました。
皆さんの門出を祝福しているようで、本当に嬉しく思いました。
まだ浅きとはいえ春の息吹を感じるこの佳き日に、旅立ちの時を迎えた皆さんの、晴れやかな、成長した姿を見ることができたことは、私たち大阪成蹊女子高校の教職員にとって、この上ない喜びです。
また、本日は、卒業生の皆さんを祝福するために、多くの方が駆けつけてくださいました。
大阪成蹊学園 蹊友会 ご代表 様
同じく後援会 ご代表 様
はじめ、ご来賓の皆さま、ご多用のところ、ご臨席を賜りましたこと、厚く御礼を申し上げます。
またこれまで卒業生たちを見守ってくださり、暖かなご支援を賜りましたこと、重ねて御礼を申し上げます。
そして、本日、ご列席をいただきました保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
心よりお喜び申し上げます。
また、これまで本校の教育活動に、深いご理解と多大なるご協力を賜りましたこと、厚く御礼を申し上げます。
真新しい制服に身を包み、不安や期待を胸に学園正門をくぐった入学式から、もう早や3年が経ちました。
お子様たちは本当に大きく成長されました。
その姿を、誰よりも感慨深く見つめていらっしゃるのは皆様だと思います。
嬉しい時も、思うようにいかなかった時も、誰よりも一番近くで支えてこられた保護者の皆様の、深い愛情があったからこそ、今日の日があります。
改めまして、お子様のご卒業、心よりお祝い申し上げます。
さて、卒業生の皆さん、改めて、卒業、おめでとう。
高校生活も今日で終わり、いよいよ旅立ちの時です。
入学してからこの日を迎えるまで、皆さんそれぞれに、本当にいろんなことがあったと思います。
決して楽しいことばかりではなく、時には涙し、時には思い悩んだことがありましたね。
でも、そんな時、あなたの横には必ず友達がいました。
修学旅行、体育祭、文化祭、毎日の学校生活。
授業時間、休憩時間、昼休みや放課後のひと時。
そこには確かに、あなたと同じ時間を過ごした友達がいました。
それこそが、あなたが大阪成蹊女子高校で得た宝物。
その宝物を胸に、これからの新しい日々へ歩みだしてください。
では、卒業にあたり、皆さんに二つの言葉を贈ります。
一つ目は「美しさは、あなたがあなたらしくいると決めた時に始まる」という言葉です。
これは、有名なファッションデザイナー、ココ・シャネルの言葉として知られています。
シャネルはフランスの田舎町に生まれ、12歳の時に母を亡くし、孤児院で暮らしました。
決して恵まれた環境ではありませんでしたが、自らの力で人生を切り開き、常識にとらわれない発想で「シャネル・スタイル」を作り上げました。
「働く女性の先駆者」とも言われており、皆さんもその名前はよく知っていると思います。
「美しさは、あなたがあなたらしくいると決めた時に始まる」
皆さん、人の「美しさ」って何でしょうか。
私たちはつい外見を飾ることを考えてしまいがちですが、本当の美しさというのは、内面からにじみ出るものだとよく言われます。
シャネルはその美しさが「自分らしさ」の中にこそあると、伝えたかったのではないでしょうか。
彼女の別の言葉、「かけがえのない人間であるためには、人と違っていなければならない」という言葉にも、その想いが表れているように感じます。
人と違うことを不安に感じることもあるでしょう。
でも、その「違い」こそがあなたの個性であり、「あなたらしさ」の源です。
これからあなたたちは、様々な場面で、多くの選択を重ねていきます。
進学、就職、人との出会い。
迷うこともあるでしょう。
そんな時に、「私はどう生きたいのか」「私は何を大切にしたいのか」と、自分自身に問いかけてみてください。
「自分らしくある」ということが、あなたにとって、大きな支えになると思います。
しかし、物事はいつもそう簡単に決められるものではありません。
「無理かもしれない」「自分にはできないかもしれない」そう感じる時もあるでしょう。
そんな時、思い出してほしいのが、次の言葉です。
“Nothing is impossible, the word itself says ‘I’m possible.’”
「不可能なことなんてない。
だって、“impossible”という言葉そのものが『私は可能だ』と言っているのだから。」
これは、私の大好きな俳優、オードリー・ヘプバーンの言葉として知られています。
彼女は数々の映画に出演し、晩年はユニセフの親善大使として活動しました。
まだ観たことの無い人は、ぜひ「ローマの休日」という映画を観てみてください。
さて、先ほどの言葉を少しゆっくり考えてみましょう。
英語で「不可能な」という意味の言葉 “impossible”。
これを、”im”と”possible”の二つに分けてみてください。
そして、最初の”im”、”i” と “m” の間にアポストロフィを入れると、
“I’m”
そこに”possible”を続けると、
“I’m possible.” ――「私にはできる」という言葉になります。
つまり、「不可能な」を意味する“impossible”と言う言葉の中には“I’m possible.”「私はできる」という言葉が隠れているのです。
「不可能なことなんてない。“impossible”は“I’m possible.”」
私はこの言葉に何度も励まされてきました。
皆さんには、本当に無限の可能性があります。
どうか自分で自分の限界を定めないでください。
「できない」と決めてしまわないでください。
自分の可能性を信じ、夢を持ち、その夢に向かって歩み続けてください。
これから人生という大海原へ漕ぎ出していく皆さんに、
「あなたらしく」
「I’m possible.」
この二つの言葉を贈ります。
どうかこの言葉を胸に、夢を追い続ける人でいてください。
そして、自分の人生を、自分らしく切り拓いていってください。
Bon voyage.
どうぞ良い航海を。
さて、お別れの時が来ました。
皆さんにとっては新しい毎日の始まりです。
どうか健康にだけは十分気をつけてください。
そして自分自身の人生を、思いきり楽しんできてください。
大阪成蹊女子高校を卒業し、社会へ出ていくあなたたちが、いつの日か多くの夢を叶えて、豊かな人生を送られんことを、そして、あなたたちの人生が幸多きものとなりますように、心からお祈りし、私の式辞といたします。
卒業、おめでとう。
いってらっしゃい!
令和8年3月2日
大阪成蹊女子高等学校 校長 向畦地 昭雄
<参考文献>
*山口路子「ココ・シャネルの言葉」(電子版)、2017年、大和書房
*高野てるみ「ココ・シャネル 女を磨く言葉」(電子版)、2014年、株式会社PHP研究所
*酒田真実「オードリー・ヘップバーン99の言葉」(電子版)、2024年、扶桑社
*「-WHAT SHOULD I-READ NEXT?」のWEBページ(2026年2月21日アクセス)
(https://www.whatshouldireadnext.com/quotes/authors/audrey-hepburn)
*「VOGUE JAPAN」のWEBページ(2026年2月24日アクセス)
(https://www.vogue.co.jp/celebrity/quoteme/2017-08-19)