お知らせ

4月5日入学式での学校長式辞

24.04.05

令和6年度 大阪成蹊女子高等学校 入学式式辞


新入生の皆さん、入学おめでとう。大阪成蹊女子高校へようこそ。
今日の日を待っていたように学園正門の桜も満開となり、皆さんの門出を祝福してくれています。
麗らかな春のこの佳き日に、希望に満ちた皆さんを迎えることができ、心から嬉しく思います。
 
そして、これまで、ご心配、ご苦労をなさってこられました保護者の皆さま、お子様のご入学、誠におめでとうございます。
心からお喜び申し上げます。

また、本日、ご多用中にもかかわりませず、お越しくださいました、学園蹊友会、後援会、本校PTAの各御代表様、学園関係者の皆様をはじめ、多くのご来賓の皆さま、ご臨席を賜りましたこと、厚く御礼を申し上げます。

さて、新入生の皆さん、改めて、入学おめでとう。
いよいよ高校生ですね。
そして、ここ、大阪成蹊女子高校での新たな生活が始まります。
その最初に当たり、二つのことを皆さんに伝えたいと思います。

一つ目は「他者に思いを寄せる」ということです。
今年は、元旦から能登で大きな地震が起こり、たくさんの方が被災されました。
それから三か月以上が経った今もなお、避難所での生活を強いられたり、インフラが復旧せずに困難な生活が続いている方々がたくさんいらっしゃいます。
今年一月の始業式で、本校の生徒にこの地震の話をした時に、「自分にできることは限られていますが、何か少しでも力になれることがあればと思いながら、日々を過ごしています。」と伝えたところ、生徒会執行部の皆さんが募金活動をしたいと申し出てくれました。
わずか一週間の活動でしたが、たくさんの善意が集まり、日本赤十字社を通じて被災地に届けていただくことができました。
私たち一人ひとりの力は小さくても、力を合わせて行動することで、たとえわずかでも、辛い思いをしている方たちの役に立つことができる。そんなことを改めて感じましたし、自ら行動を起こした本校の生徒たちをとても誇らしく思いました。
今、世界では、様々な争いや問題があり、多くの人々が苦しんでいます。我々は報道を通じて、そうしたことを見聞きしていますが、その時に、苦しんでいる人や困っている人に思いを寄せ、「何か自分にできることはないか」と考えることができる人、皆さんにはそんな人になってほしいと思います。
皆さんもそうだし、私自身もそうですが、人は、少し困ったり、少し苦しい思いを抱えたりしながら生きています。
災害や紛争でなくとも、身近に争いごとや問題が起きた時に、まずは、他者に思いを寄せることができる人になってほしいと思います。

そして、自分一人ではできないことでも、何人かでなら、あるいは多くの人と一緒なら、できることがきっと広がります。
他の人と協力して、自分たちでできることを考えたり、できることを実行に移したり、そんな「協働」して取り組む力を育んでほしいと思います。
これが二つ目です。
先ほどの地震のこともそうですが、一人の力では解決できない課題が、地球上にはたくさんあります。
地球温暖化の問題、飢餓やエネルギーの問題、戦争などの争いの問題。
どうすれば解決できるのか、正解はありません。
これらの課題には多くの人が知恵を寄せ合い、意見を出し合い、いろいろな試行錯誤を繰り返しながら、解決策を模索していかなければなりません。
そのために、これからの社会で求められているのが「他者と協働する力」です。
そんな力を、ぜひ、高校時代に身に付けてほしいと思います。

でも、あまり難しく考える必要はありません。
今言ったようなことは、本校で学ぶうちに自然と身についていきます。
だから心配せずに、高校生活を充実させ、楽しんでください。
そのためにもクラブや行事に積極的に参加しましょう。
そうすると、しんどいときもあるかもしれないけれども、きっと、「自分は大阪成蹊でがんばった」という自信と、かけがえのない一生の友だちができると思います。
だから、自分を信じて、何にでも挑戦してみてください。
昨年の春に卒業した皆さんの先輩で、ある行事の実行委員長を務めた生徒の言葉を紹介します。
「勇気を出したら世界が変わりました。どうするかはあなた次第です。私は楽しかったですよ。」

先日、ある新入生が、「高校生になるのが、めっちゃ楽しみです」と私に話をしてくれました。
自分のコースでの学びへの期待、新しい友だちが増えることへの期待、そして本校での、高校生としての新しい生活への期待。
今、多くの人が、そんな期待を持ってくれていると思います。
そうした期待が現実のものとなるよう、本校の教職員は全力をあげて皆さんをサポートしていきたいと思っています。
皆さん、ぜひ、我々と一緒に、本校での高校生活を充実させていきましょう。

最後になりましたが、保護者の皆さま、改めましてお子様のご入学、誠におめでとうございます。
私たち、大阪成蹊女子高校の教職員は、生徒、一人ひとりを丁寧に支援してまいります。
ご家庭におかれましても、本校の教育活動にご理解を賜り、ご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

また、お忙しい中、ご臨席を賜りましたご来賓の皆さまにおかれましては、今後とも、本校の教育活動に、一層のご支援を賜りますようお願い申しあげまして、式辞といたします。

令和6年4月5日

大阪成蹊女子高等学校 校長 向畦地 昭雄

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